披露宴会場に駆け込むと

お色直しを終えた二人が

まさに今………ケーキカットをしようとしていた。

フゥー。

間に合ったぁ!!

そのままカットしてる高砂に近づいて、謝ろうとしたら。

見覚えのある。

けど………少し大人びた女の子が。

業者さんの、ビデオカメラのコードに引っ掛かって

前に傾いていた。

「危な!!」

咄嗟に手を伸ばして、お腹の辺りを支えた。

…………………間一髪。

前に倒れる事を、免れた彼女は。

ぽーっと俺の顔を、眺めている。

「大丈夫ですか?」と笑顔を向けるも

耳に届いてないように、固まっている。

「大丈夫だったら………写真………撮りますか?」

高砂の前に集まっているということは

ケーキカットの写真を撮るためだろう。

そう言えば…………

以前も写真部の彼女が、6人のカメラ係りだった事を思い出す。

「写真………………??」と呟いた後。

「…………………………先生の??」と続いた。

俺の写真??

ビックリして、まじまじと顔を見てしまった。