知ってる。

そんな彼女だから、恋をした。

………………けど………。

そんな彼女だから……………

元教師の俺が……………手を出してはいけないような気がするんだ。

…………………………………。

黙り混む俺に。

「だったら一度、桜ちゃんから離れて他の人とつき合ってみたらどうですか?
俺も玲奈と離れてみて、自分にはコイツしかいない!って思ったから。
桜ちゃんの事ばかり見てるよりも
周りを見た方が、自分の気持ちに気づきやすいでしょ?」と

突拍子もないアイデアをくれた後藤君。

他の人?!

一年以上、木下さんの事だけを考えていた俺には

目から鱗だった。

「オッ!それ良いじゃん。
亨、紹介してやるよ。」

「桜の良さを、比較しないと気づけないなんて……
ちょっと不満!!」

拗ねる玲奈ちゃんに

「桜ちゃんと比較するんじゃなくて
亨さんの気持ちを、自分で確認するんだよ。」と後藤君。

………………………確かになぁ。

禁断で年の差。

自分の中にあるやましさが、克服出来ないと………

彼女に向き合うなんて無理なんだよなぁ。

「春人。
………………お願いしていいか?」

紹介してもらって、彼女に向き合おうと思うのか。

それとも諦めるのか。

どちらかは……………会ってみないと分からない……………。