「そうなんだね」
飯島君は病気の話と昔、私にあったことを話してくれた。
その時から私のことを思っていてくれたことも。
正直に言うと。
「会ったなんて知らなかった」
去年は………人と関わるのもちょっとは躊躇っていたから。
だからあんまり覚えてない。
「そうなんですか」
「………でも、ありがとう。私のことを好きでいてくれて」
たった一回会ってそれで、私がいるこの高校に入学して………。
それってすごいおもいがないとダメなんだよね?
頑張ったんだね、飯島君。
「先輩………」
「ん?」
「俺のこと、撮っていただけませんか?」
「え………」
飯島君を私が撮る………?
「先輩に撮ってほしいんです!最初で最後で………いいので!」
「………」
どうして焦っているの?
もうそんなに時間がないの?
まだ言えてないよ。
「………どうして撮ってほしいの?私は別に撮るのが好きで上手い訳じゃないのに………」
私はあなたの気持ちがわからない。
いなくなるから忘れないでってこと?
それならとりたくない。
だって忘れないもん。
絶対に。
あなたのことは………。
「それは………」
飯島君は下を向いて考えた。
いや、何かを躊躇っていた。