玄関にあった靴や散らかった部屋を見て気づいたんだ。
何かあったことに。

「お母さ………」

私は涙が溢れた。
お母さんが帰ってきた安心したんだ。
心の底から………。

「お母さんっ!!」

私はお母さんに抱きついた。
お母さんなんか大嫌いだと思ってた。
〝あの頃〟を思い出すと余計に………。
だけど今日でわかった。
私は………お母さんのことが。

〝たまらなく大好き〟

ということに。
やっと気づけたんだ………。

「聖奈………?」

ねぇ、お母さん。
私ね………お母さんに話さなきゃいけないことがいっぱいあるの。
聞いてくれるかな?

「大好きだ、よ………お母さん」

私は意識を手離した。
そして深い眠りへと入って行った。