だから私は探したんだ。
飯島君を………。

「飯島君………っ!?」

大声で叫びながら。
私は必死で探していた。
こんなに走ったことはないだろうな。

「はぁはぁ………っどこにいるの………」

飯島君かま行きそうなところなんてわからない。
だって昨日会ったのは偶然なんだもん。
飯島君と出掛けるときなんてなかった。
あの時しかなかった。
体育祭の時から………。
気づいたんだよ。

「飯島君………っ!」

君のことが大好きだって………。
わかったんだよ。
だから嬉しかったの。
また会えるんだって思ったら………嬉しくて仕方なかった。

「っ………!?」

遠くから聞こえる救急車のサイレン。
………まさか。

「っ!」

私は全力で走った。
君のことだけでいっぱいだった。
どうして来てくれないの?
あの救急車に乗ってるのは………君じゃないよね?

「はぁはっ………はぁ」

「過呼吸と何か別の症状だ………!」

「はやく運ぶぞ!」

そっと近づく。
けれど見れない。
誰が………いるの?
誰が倒れたの?
飯島君じゃないよね?
………飯島君。

「っ………!!」

「ひゅーひゅー………」

辛そうに呼吸をしているのは見間違えるはずもない。