「………先輩っ」

私には何かあるのかな?
去年も………ううん、ずっとなかった。
夏休みの思い出なんて………。
だから今年もそうなの?
だったらもう………夏休みなんて欲しくない。

「先輩っ!!」

優しくて温かい君の温もりで私はハッとした。
そうだった。
去年や今までとは違う。
今年は君がいる。
いてくれる。
そう信じてもいいの?

「………飯島君、ありがとう」

私は君の存在に救われてばかりだよ。
君がいなかったらきっとまだ私は過去にとらわれたまま人を信じられず嫌いだった。
けど君と出会って変わったんだ。

「なんだか今年の夏休みは楽しみだな!」

私は笑っていた。
だって本当なんだもん!
飯島君といるだけで心が温かくなる。

「私、頑張ろ!」

「?」

今年は去年とは違ってアルバイトとかしてみようかな!
でも私って何が向いてるのかな?
暗記系とかはできるな。
でもカメラを使う仕事がいいな。
そんな仕事あるのかな?
調べるのは面倒だからとりあえず………。


「指原聖奈です。暗記系が得意で写真を撮るのが趣味です!」

やってみるべからず!
っな感じです!

「採用になったんだ」

二日前に面接した写真のアルバイトをしたんだ。