〜聖奈side〜


君の声で私は気がついたんだ。
闇の中にいた私に優しく………そっと手を差しのべてくれるあなたの手を………。

「頑張って、飯島君！！」

気がついたら応援していた。
それでねわかったんだ。
この感情が。
私は君のことが大好きなんだって。

「おめでとうございます、一位」

「！ありがとうございます！」

やっぱり君を手離したくない。
一度捨てたのに………。
だけどダメだった。
私はこんなにも君のことがいつの間にか好きになったいた。
これはもうとめられない。
唯一君にだけ気を許していた。
きっと初めてあったあの日から。

「先輩、競技なにやるんですか？」

「私は、何もやりませんよ」

「えっ！？何で………っ」

「知らないの？学年で成績優秀な人はやってもやらなくてもいいんだよ」

「そうなんですか………」

正直、あんまり走ったりしたくないからね。
でもそういうのがよくて入学したんだ。
勉強には自信があったから。

「競技なんにもでないから写真撮ろうかなって思って！」

私はジャーンってカメラを見せた。
そして間抜けな顔をしている飯島君を撮ったんだ。

「私、もしかしたら飯島君を傷つけることを無意識に言ってたのかもしれない。だから………ごめんなさい」