「だからこれは………」

「?」

飯島君が顔を真っ赤にしながら言った。

「ヤキモチです………。先輩が他の人と仲良くしてたんで妬いただけです!!」

後半はほぼやけくそだった。
でもそれを聞いたらなんだか胸が………心が温かくなったんだ。

「っ………!」

本当に気味には敵わないな。
飯島君、私は………。

「ありがと!」

いつからか………君のことでいっぱいだったよ。
これが………恋という感情なのかな?

「指原先輩!」

私はそっと胸に手を当てて。
鼓動を聞いていた。
トクントクンっと脈打つ。
規則正しい。

「頑張ろうね、体育祭!」

「はい!」

私は君のとなりに並んで体育祭実行委員の準備に戻った。
突然、いなくなった私たちは罰として雑用をやらせれた。
そのあと、飯島君は私にペコペコとごめんっと謝った。

「大丈夫だよ!」

私は笑って答えた。
飯島君も笑って、

「ありがと!」

と言って作業に集中した。
私も集中しなきゃ!
そして私は自分の仕事せっせっと始めた。

きっと私が飯島君に恋をしていると気づくのはもう少し先のお話。