なんて言えるはずもなく。

「ごめん、ちょっと聞いてなかった………」

なんて苦笑いして言った。
すると男の子は………。

「ふはっ、やっぱり！」

と笑って、

「じゃあもう一回言うね」

と言って自己紹介の内容を言う。
私は今度こそ真剣に彼の顔を見つめて聞こうとした。
男の子は顔が真っ赤になりながら。

「俺の名前は久我俊樹。好きな人を振り向かせられるようにがんばります！あと、体育祭が終わったら告白します！体育祭中かもしれないけど」

って言ったらしい。
別に私が聞いても意味ないんじゃ………。
そう思った。

「そうなんだ。好きな人、振り向かせられるといいね！」

なんて笑って言う私に久我君ははぁ………とため息ついた。
失礼しちゃう！
私がせっかく応援してあげたのに！
めったにないんだからね！！
と、心の中で言った。

「飯島遥斗、一年です」

いつの間にか一年生にまわっていてちょうど飯島君になった。
うわ、頑張って！

「初めてで足を引っ張るとは思いますが精一杯頑張るのでよろしくお願いします！それと体育祭中に絶対に大好きな指原聖奈先輩を振り向かせて付き合えるように頑張ります！」

「っ！？」

私は顔がひきつった。
だってそんなこと………あるっ！？