あの日から5日が経過していた。
私はあの日撮った写真を見返していた。
初めて人を撮った。
ちゃんと………。

『俺でいいんですか!?』

『うん、飯島君を撮りたい』

『………嬉しいです!』

そう言って笑って引き受けてくれた君の写真を撮った。
人を撮りたいと思ったのは初めてだった。
気がついたら言っていた。

ーピロリロリン

【母からの新着メッセージが届いています。】

電話のメッセージにうつってある名前を見て私は現実に引き戻された。
お母さんから………。
私はメッセージを見た。

【母:今日も帰りが遅くなるから】

そう一言あった。

「はぁ………」

私は人が嫌いだ。
信じていったってどうせ裏切る。
私の願いを叶えてくれない。
私の幸せを奪う。
そう知ったんだ………。

「………今日もご飯いっか」

私のお父さんはいない。
私が小学3年生の時に離婚して私は母に引き取られた。
そして父はどっかの愛人といなくなった。
それから母は毎日のように私にあたるようになり酒を飲んでは叫んだりした。
私はいつも自分の部屋で願っていた。

〝お母さんが戻ってくれますように〟

そう願っていた。
だけど母は戻りはしたが、家を空けるようになった。
夜は毎日のようにとっかえひっかえ男のひとたちと遊んでいた。