風になりたい

「どうして」

風になれずにいるあの子はまだ鳥かごの中。
私はあの子を抱きしめようとした。
でも、すり抜けて上手くいかない。

「どうして」

こうしてまた鳥かごの中に戻してしまったのは、わたしがさせたことなんだ。
でも、風に逆らって、空を切ればよかったのに、しなかったのはあの子。
あの子。

鳥かごの中で泣いているあの子をまた抱きしめようとする。
でも上手くいかない。すり抜けるだけ。
風は自由だ。どこへでも行けるし、なんでも見に行ける。
だけど、気づいて貰えない。
誰にも知って貰えない。
わたしはここにいる。
風になったわたしはここにいる。

あの子も、風になればわたしといっしょに遊んでくれるのかな?
でも、それをつい止めてしまうのは、この孤独が永遠であることをわたしは知っているからなのかもしれない。