…………ここか。

騒がしいくらいに耳に入り込んでくる人の声。家の中は変に蒸し暑かったけど、外はそんな暑さとは違い、清々しいと言わんばかりの天気、そりゃそうだ、もう春なんだから。

俺がいる場所……いや、島は日本人として最も権力を持ち、最も偉大とされている家系【伊集院家】が用意したものだ。

伊集院家とは、昔から今まで家族の中で総理大臣を受け継いできた大統領家系。日本では当たり前のことだけど、どうやら家族が受け継いで大統領をやるのは少し珍しいらしい。

この島にあるのは、伊集院家の人が作った大き過ぎる学園と……この島にいて退屈しないように揃えられた様々な店、そう、俺達は卒業するまでここから出られないことになっている。

それは悪く言って仕舞えば権力を振りかざした監禁とも言えるが、この学園にその理屈は必要無い。何故ならこの学園を卒業した人達は皆優秀な成果を出し、あらゆる職で活躍している。

つまりこの学園は良く言えば、私立高校よりも設備が優れ、就職面をサポートしてくれるかもしれない正に夢の学園だ。

俺はこの学園で一番になって、大金持ちになって、母さんを楽にしてみせる……必ず………!!!!

さて、まずは入学式だ。

それにしても……ここではどんな授業を受けるんだろうか?テレビでは文字による本当かどうか曖昧な情報しか発信されてないから、全く分からない。

少し楽しみな反面、少し不安だ。