人の都合によって虐待や迫害などを受けている動物たちを見過ごせないのだと、何処か哀し気な瞳で語っていた。そういう動物たちを少しでも救えたらいいと救済センターを起ち上げたのだとも。
(おおぞらたつおみさん、か。きっと、いい人…なんだろうな…)
その言葉の裏には何も負の感情はなかった。きっと、あれが心からの想いそのものだったに違いない。
(流石に、そうそう会うこともないとは思うけど…)
彼の活動には好感が持てた。なので、もしもそういう動物を見掛けることがあったなら連絡してみても良いかもしれない。そう思い、手にしていた名刺をどこかにしまおうと迷った挙句、制服のポケットに入れていた生徒手帳の間へと挟んでおくことにした。
そう。その時は気付かなかったのだ。
そこに書かれていた住所が、住んでいる祖母の家と近かったことなど。
あと少しで家へと着く頃。
最後の角を曲がったところで前から小さな犬が、こちらへ駆けて来るのが見えた。
「わんわんわんっ」
その見るからに元気そうな犬は、真っ直ぐに咲夜の方へと向かって来る。
ここは閑静な住宅街なので車の交通量が少ないとはいえ、流石にフリーで走り回っているのは問題だろう。だが、近付いてくるにつれ状況が解ってきた。きちんと首輪は付けられているものの、そこから伸びたリードを引きずっているのだ。
(飼い主を振り切って逃げてきたのかな?)
それにしても、気のせいだろうか。ワンコの意識が何故かこちらに向いている気がする。
(おおぞらたつおみさん、か。きっと、いい人…なんだろうな…)
その言葉の裏には何も負の感情はなかった。きっと、あれが心からの想いそのものだったに違いない。
(流石に、そうそう会うこともないとは思うけど…)
彼の活動には好感が持てた。なので、もしもそういう動物を見掛けることがあったなら連絡してみても良いかもしれない。そう思い、手にしていた名刺をどこかにしまおうと迷った挙句、制服のポケットに入れていた生徒手帳の間へと挟んでおくことにした。
そう。その時は気付かなかったのだ。
そこに書かれていた住所が、住んでいる祖母の家と近かったことなど。
あと少しで家へと着く頃。
最後の角を曲がったところで前から小さな犬が、こちらへ駆けて来るのが見えた。
「わんわんわんっ」
その見るからに元気そうな犬は、真っ直ぐに咲夜の方へと向かって来る。
ここは閑静な住宅街なので車の交通量が少ないとはいえ、流石にフリーで走り回っているのは問題だろう。だが、近付いてくるにつれ状況が解ってきた。きちんと首輪は付けられているものの、そこから伸びたリードを引きずっているのだ。
(飼い主を振り切って逃げてきたのかな?)
それにしても、気のせいだろうか。ワンコの意識が何故かこちらに向いている気がする。



