そんなことは日常茶飯事だった。
誰もが心の内で文句ばかりを並べている訳ではない。勿論、幸せに満ち溢れた囁きだって存在する。けれど、言葉にして発することが出来ない愚痴やぼやきの方が心の声として聞こえて来ることが多いのは事実だった。抑え込んでいながらも、外へと訴えたい気持ちが大きな本音ほど聞こえてきやすいのかも知れない。
でも、そういう人の負の感情ばかりを耳にしていると、ついつい自分までマイナスの方向へと引きずられてしまいがちで。その為、経験上出来るだけそういうものは聞き流し、極力気に留めないように心掛けていた。
(そう、所詮は他人事…)
気にしていても仕方がない。さっきの彼氏は気の毒だとは思うけれど。
そうして気を取り直して歩いていると、また何処からか小さな囁きが聞こえてきて咲夜は足を止めた。
今度は、先程のものとは少し違った何処か危機的な、助けを求めるような『声』だ。
でも、周囲を見渡してみても人はいない。
それは、とても小さな小さなもので…。
咲夜は耳を澄まして声の聞こえる方へと神経を集中させた。
心の囁きは何も人限定のものではない。『心』のあるものならば、何かしらのメッセージを発信しているからだ。
普通ならば言葉の通じることなどない生き物であっても、他へと訴える気持ちが強いものは何故か感じ取ることが出来た。
それは人の『言葉』とは違うけれど『心』そのものの波動。
(あ…。見つけた…)
河原に植えられている一本の樹。その根元に小さなうごめくもの。
誰もが心の内で文句ばかりを並べている訳ではない。勿論、幸せに満ち溢れた囁きだって存在する。けれど、言葉にして発することが出来ない愚痴やぼやきの方が心の声として聞こえて来ることが多いのは事実だった。抑え込んでいながらも、外へと訴えたい気持ちが大きな本音ほど聞こえてきやすいのかも知れない。
でも、そういう人の負の感情ばかりを耳にしていると、ついつい自分までマイナスの方向へと引きずられてしまいがちで。その為、経験上出来るだけそういうものは聞き流し、極力気に留めないように心掛けていた。
(そう、所詮は他人事…)
気にしていても仕方がない。さっきの彼氏は気の毒だとは思うけれど。
そうして気を取り直して歩いていると、また何処からか小さな囁きが聞こえてきて咲夜は足を止めた。
今度は、先程のものとは少し違った何処か危機的な、助けを求めるような『声』だ。
でも、周囲を見渡してみても人はいない。
それは、とても小さな小さなもので…。
咲夜は耳を澄まして声の聞こえる方へと神経を集中させた。
心の囁きは何も人限定のものではない。『心』のあるものならば、何かしらのメッセージを発信しているからだ。
普通ならば言葉の通じることなどない生き物であっても、他へと訴える気持ちが強いものは何故か感じ取ることが出来た。
それは人の『言葉』とは違うけれど『心』そのものの波動。
(あ…。見つけた…)
河原に植えられている一本の樹。その根元に小さなうごめくもの。



