なにも変わらないいつもと同じ朝。
のはずだった、、

宮藤和泉(くどういずみ)19歳。
本日タイムスリップします。

自転車で坂道をこぐ。
道の両側にはきれいに赤や黄色に紅葉した葉がそよそよと風に揺れていた。
「きれいだなあ」
と見とれていた次の瞬間、

ビューーっと強い風が吹いた。
紅葉した葉っぱがくるくると私の周りを回転しながら上へまきあげられ空高く飛んでいく。

「うわっ」ぐらっと自転車が横にゆれ倒れた。

思わず目を閉じ、そこで記憶は途切れた。

.....

沖田side

京の冬は寒い。

思わず身震いをしてしまうほどの寒さだ。

肌を刺すように冷たい水をすくって顔を洗い、肩にかけていた手ぬぐいで拭いた。

井戸の近くにあるイチョウの木を見上げる。

目をイチョウの木の根元に移すと、先程まで誰もいなかったはずのところに少女が横たわっていた。

「いつのまに、私が気配に気づかないなんて」