練習もしっかり参加し、とうとう大会の日がやってきた。

 泊まりがけの大会になるため、私たちの地区は男女合同で移動することになっている。

 バスの乗り方は、なぜか縦半分で女子と男子がわかれている。

 わたしが座った席の近くには、去年の選抜でも一緒で仲良くなった男子が何人かいたため、私たちは男女仲良く話しながらバス移動をした。

 この何人かの中にいたのが、和紀。杉浦和紀《すぎうらかずき》。これからわたしが何年も追いかける人。

 かずきは、私たちの地区では断トツで強いチームの選手で、そのチームは北海道でも大会ではいつも1位か2位の成績を修めてる。

 この日までわたしとかずきは話したことも目があったこともなかった。ただ、お互い名前と顔は知ってるくらいの仲だった。

 その時は好きってほどの意識はなく、こんな強いチームの方と話せてうれしいなくらいにしか思ってなかった。

 大会が始まり、わたしたち女子のチームはうまく勝ち進むことができず、敗退。
 男子のチームは順調に勝ち進み、とうとう準決勝まで進んだ。女子チームは男子チームを応援した。わたしはなぜかかずきを目で追っていた。このときにわたしはもうかずきが気になっていたのかもしれない。

 なんと男子のチームは準決勝も勝って、とうとう決勝だ。決勝もわたしが見ていたのは、かずき。

 驚くことに男子チームは優勝した。わたしが勝ったわけじゃないけど、すっごくうれしかった。