いちばん星の独占権



「ちゃんと授業聞いてないひとには教えてあげませんっ」

「チッ」




治安の悪い舌打ちの音が聞こえてきた。

素行まで完全に不良だ。


それに……。




「りんくん、また怪我したの?」




かすかに届いた鉄のような───血のにおい。

見れば、頬に昨日まではなかったはずの切り傷がついていた。



りんくんは女の子もあこがれちゃうくらいのきれいな肌をしているくせに、日に日に生傷が増えていくばっかり。もったいない。




「どーせ、また喧嘩したんでしょ」




れーちゃんが呆れたように言う。




「売られたから買っただけ」




あちゃー……とまた頭を抱えた。

これだからりんくんは不良のレッテルが剥がれないのだ。なにせ、先生たち+生徒会のブラックリスト入りを果たしているくらいだもの。



売られた喧嘩は買ってなんぼ、がりんくんの流儀らしい。

おかげさまでりんくんは喧嘩ばかりくりかえす男の子になってしまった。


でも。




「売られたからって、買っちゃだめだよ」

「……」

「ほのかのが正論だねー。いくらほのかに構ってほしいからって、やんちゃばっかりしてたらそのうち愛想つかされるぞ、りんたろ」