くすぐったい、のかも。
なんて思っていたら。
『あー……、っぽいね』
『ぽい?』
『ほのかって名前、なんかしっくりくる』
言いながら、なるちかくんの視線がわたしの輪郭をなぞった。
“ほのか” っぽい、って、それは。
『なるちかくん、わたしのこと馬鹿にしてる?』
『はは、そう思う?』
思うよ。
だって、なるちかくんみたいに煌びやかな、華やかな名前じゃないもん。
ほのか────辞書で引くと、漢字は「仄か」に変換される。
意味は「はっきりとは分からないくらい、わずかに現れるさま」。
それが、ぴったりの名前なんて……遠回しになるちかくんとは正反対だよって言われたようなものだ。
勝手に卑屈になっていると、なるちかくんがくすりと笑って。
『ほのかちゃん、な。覚えた』
『え』
『ん? 間違ってる?』
ほのかちゃんでしょ、ってなるちかくんは言う。
間違ってない、間違ってないけど、そうじゃなくて。
わたしが言いたいのは────。



