いちばん星の独占権




なるちかくんの腕のなか。

なるちかくんもまさか自分がキャッチするとは思っていなかったのか、おどろいて目を見開いている。



その間にも、司会のひとが、「ただいまブーケをキャッチされたのは新婦の幼なじみの────」となるちかくんの紹介をしていて。




「なるちかくん、幸せものだねっ」



つん、となるちかくんを小突くと。



「はい」


「え?」

「あげる、ほのかちゃんに」




戸惑っているわたしの腕のなかに、なるちかくんがブーケを預ける。

かぐわしい花の香りとカラフルな色合いに乙女心がはしゃぐけれど────。




「ど、どうしてっ?」

「俺は今じゅうぶん幸せだしなーってことで」

「じゃあ、なんで、わたし……」




きょときょとしていると、なるちかくんが、くくっと肩を揺らした。




「ほのかちゃんしか、渡す相手なんていないじゃん」

「へ、あ」


「どう? わかった?」

「あ、ありがとう……」




大事に抱えなおしたブーケからは、幸せを連れてきてくれるような香りがした。


けれど。




「わたしは、なるちかくんといられるなら、しあわせ」

「……っ、はー、ほのかちゃんってそういうとこほんと」


「へっ? わたしなにかしたっ?」

「ふいうちは禁止ってこと」




このときなるちかくんの耳が遠目に見てもわかるくらい赤く染まっていたこと、それをカメラマンが写真におさめていたこと。


それは後になって、りっちゃん先生から写真が手渡されて知ることになる。