ひょいと金色の髪をつまみあげたなるちかくん。

なんのことかわからず、首を傾げると。




「金に染めたの、理由が理由だったじゃん。もし、ほのかちゃんが少しでも気にするなら、黒くするよ」





なるちかくんが金髪にした理由は以前聞いた。




けれど、金髪はもうなるちかくんのアイデンティティのひとつのはずなのに、そうして迷いもなく言ってくれるから。


それだけで、わたしを大切にしてくれていると、ちゃんと感じられるからだいじょうぶ、平気。



それに────。





「わたし、なるちかくんの金髪、好きだもん。もったいないよ、こんなにキレイなのに。それに、金色ならいつでもどこでもなるちかくんを見つけられるから」


「金色じゃなかったら見つけてくれないってことだ」




もう、もう!

なるちかくんは、こういう意地悪なところがある。



お砂糖吐きだし、悪魔だし────未だに、このひとがわたしと付き合ってくれている、ということに驚いてしまう。




「金色じゃなくても、見つけるよ、わたしがぜったい」

「うん。知ってる」




はは、と笑う。