ううん、やっぱり、全部好き。
でも、やっぱり笑っていてほしい。
こんなに好きになるなんて、思ってなかった。
こんなに。
「あの、わたし」
「うん」
「ひとりじめ、してもいい……っ? なるちかくんの、こと」
「……ん、おいで」
なるちかくんが腕を広げる。
公衆の面前ということもすっかり忘れて、その腕のなかに飛びこんだ。
勢い余ってしまったけれど、「おっと」となるちかくんが器用に受けとめてくれる。
そろそろと腕をのばして、なるちかくんの背中にまわした。
なるちかくんも同じくらいの力で、ぎゅ、と包んでくれる。
「なるちかくん」
「うん」
「好き、すき、だいすき」
「……ちょ、やめて」
「え」
「あんま言われると照れるから」
「……っ?!」



