いちばん星の独占権






〈 うわあぁぁん、もう諦めるーっ! やってらんない! 〉


「諦めないでっ、もうちょっとだよ、いいところまで来てるからっ」


〈 もう何分、コイツと格闘してると思ってるの!?! 〉




ここが漫画の世界であれば、“びええええん” と盛大な泣きの効果音が入ると思う。


電話の向こうのれーちゃんは、さっきからずっとこの調子だ。


泣きごとを並べたてるれーちゃんを、まあまあ、となだめる。




「あのね、さっきの計算をもう一度落ちついて────」


〈 ああっ、ほんとだ計算ミス! やらかし! 〉


「ふふ、うん。その計算さえ合えばあとはだいじょうぶだと……」




期末テストが着実に迫ってきている。

テスト前の夜はこうして、れーちゃんと電話をつないで勉強することがままあるの。



りんくんと3人でもぜんぜんいいのだけれど、りんくんは、“テスト勉強” という概念をどこかに捨ててきているから。



テスト直前は真面目にがんばる派のれーちゃんによって、りんくんはこの通話からは永久追放処分をくらっている。



なんでも、『りんたろは邪魔だから』だそう。




〈 解けたー!! ありがとうっ、ほのかっ 〉


「へへ、今のは星みっつのむずかしい問題だよ、これでテストもばっちりなんじゃないかな」


〈 心の底から感謝いたす………… 〉