────なるちかくんのことばかりだ。
今何してるかな、とか、何考えてるかな、とか。
ちゃんと笑えてるかな、とか……。
家にいても、教室にいても、保健室にいても、なるちかくんのことばかり、わたしの頭のなかを埋めつくしていく。
と、なるちかくんの姿を思い浮かべて、ぶわっと頬があつくなった。
「……〜〜っ」
お、思い出してしまった……。
そろりと右腕をりんくんの腰から離して。
そっと、指先で唇にふれてみる。
────やっぱり、あれは、ゆび……なんかじゃ、なかったよね。
寝たふりを決めこむわたしの唇にふれた、柔らかい感触。
眠り姫に王子様が落としたような、やさしいキス。
混乱して、困惑して、すぐさま洗いざらいなるちかくんに問いただしたかったけれど、眠っているというタテマエ上、そうするわけにもいかなくて。
しばらくしてあたかも今起きました、というようにぱちりと瞼を開ければ、『おはよ。よく眠れた?』なんてなるちかくんは何事もなかったかのようにふるまうから、聞くに聞けずじまい。



