ベッドの上のわたしと、そんなわたしにのしかかる体勢になったなるちかくん。
そんなつもりは少しもないのだろうけど、なるちかくんの吐息が耳のよわいところにかかって、びくっと体が跳ねる。
「三上ー」
なるちかくんを呼ぶ声が、近づいてくる。
この声って、もしや。
思いあたると同時に、なるちかくんが耳元でささやいた。
「石岡センセ。見つかるとかなりマズい」
「もしかして、今、なるちかくんのクラスって……」
「日本史」
ひえ……っ!
思わず心のなかで悲鳴を上げてしまう。
石岡先生、以前にも保健室に突撃してきたことがある。
あのときは、たしかりんくんに反省文を課すべく────。
なるちかくんに、りんくんもろとも助けてもらったことを思い出しつつ、冷や汗がつーっと背中を伝っていくのを感じる。
“石頭” の異名をもつ石岡先生、日本史、兼、生徒指導担当。
おわかりいただきたいのは、とにかく、ちょーぜつ怖い先生だということ。
つまりは、サボりなんて、ぜったい許されない。
だからわざわざなるちかくんを探しに、ここまで……。



