「腹はどう?」
「さっきよりは、ちょっとだけ、楽……」
人と話していると痛みがまぎれるのも、あるかもしれない。
「そっか。いつも、けっこう重い方?」
「うーん……、どうだろう、たぶん世の中にはもっとつらくなっちゃうひともいるから、ふつう、だと思う」
「でもほのかちゃんの基準だとキツいんだろ」
「今日は、薬忘れてきちゃったのも、あるよ」
ココアを飲み終えて、ふと思い出す。
「そうだ、なるちかくん、授業……!」
「……」
「授業はっ?」
わたしは、ほんとうに体調不良なのだから、どうとでも説明がつくのだけれど、なるちかくんは違う。
付き添いだもん、こんなところにいる場合じゃない。
もう、チャイムも鳴って、授業は始まっているはず。



