「あー……、それは、つらいな」
「……え」
あったかくて、やさしい声。
おどろいて目を丸くすると、なるちかくんの大きな手のひらが、頭にぽん、とふれた。
よしよし、とあやすように撫でて、指先が髪のあいだをするりと通り抜けていく。
くすぐったく、甘やかされる感覚。
弱っているときに、甘やかされると、だめ。
悲しいことなんか少しもないのに、涙がじわっとこみ上げてきて、それがまた恥ずかしくて、ぐい、と毛布を引き上げる。
頭ごとすっぽり隠れた。
「寒い?」
毛布をかぶったのを、“寒いから” だと勘違いしたなるちかくん。
「ちょっと待ってな」
何か思いついた様子でカーテンの向こうへと消えていった。
なるちかくんがいるのと、いないのとでは、全然ちがう。
姿が見えなくなるだけで、きゅうに心細くて、寂しい。
「……なるちかくん」
思わず、名前を呟いてしまう。
そしたら、カーテンがシャッと勢いよく開いて。
「呼んだ?」



