にこにこと楽しそうに語る、りっちゃん先生の細くて白い可憐なゆびさきが宙にダイヤを描いた。
天体の話になるとりっちゃん先生はすごく饒舌になるの。
昔から、お星さまが大好きで、それで詳しくなったんだって。
あまりにもお星さまが好きだから、名前も 「璃世」じゃなくて、「璃 “星” 」がよかった、なんていつの日にか嘆いていたのも覚えている。
「もうそろそろ、東の空にうっすら “夏の大三角” も見えてくる季節なんだよね、6月ってほんとうに贅沢……! 雨が多くてなかなか星が見えないのが残念だけれど! あ、そうそう “夏の大三角” は────」
ベガ、アルタイル、それからデネブ────先ほどダイヤを描いたのとは反対の手、左手で描かれた三角形。
そのトライアングルを目で追いかけると……、えっ?
思わず目を見開いた。
────きらりと光る星を見つけてしまったの。りっちゃん先生の左薬指の根元に輝く、まちがいなく一等星。
「ほのかちゃん?」
よほどわかりやすく、ぽかんと固まってしまっていたのだと思う。
りっちゃん先生が、そんな私を見て、きょと、と首を傾げた。



