からっぽになったビンのなかで、カラン、とビー玉が音をたてた。
きらきらしていて、綺麗。
「小学生の頃さ、このビー玉をなんとかして取り出せないかって思ってたな」
「ふふ、わかる。わたしも、躍起になってたもん、でも、取り出せないんだよねえ」
「はは。俺、取り出したことあるよ」
「ほんとにっ? 出せるの?」
「や。無茶言って、おとなにこじ開けてもらった」
かわいいエピソードに思わず笑ってしまう。
小学生なるちかくんの姿をリアルに想像すると、なんだか面白くて。
くすくす肩を揺らしていたら、なるちかくんが、でも、と続ける。
「ラムネ瓶のなかにあるビー玉は、あんなにとくべつで、綺麗に見えるのに、いざ取り出すとなんか違ったんだよな。こんなもんかーってちょっとショックだったっつーか」
なるちかくんがラムネ瓶を軽く揺らして、またビー玉が転がって、カラカラ音を立てる。
星明かりを受けて、きらきらきらめいていて、その正体はガラス玉なのに、宝石みたいに綺麗だった。
ビー玉が反射しているひかりを探るべく、空をぐぐっと仰ぐと。
「わあっ」
一面、星空。



