わたしって、けっこう欲深いのかも……。
りんくんとれーちゃんを放りだして、それなのに、この状況に心がざわざわしているんだもん。
「あ、そうだ」
はい、と手渡されたのはキンと冷えたビン。
水色で、かたちが特徴的な、ラムネの。
「暑いし、水分とらないと」
「いいの?」
「俺のもあるし」
ラムネ、いつの間に。
ていうか、ほんとうはこれ、わたしが買ってくるはずだった……。
そのまま迷子になってしまったポンコツエピソードまで同時に思い出して、うう、と思わず頭を抱える。
「熱中症対策ってことで、水分はしっかり」
「塩分もとらなきゃ、意味ないですよ」
「はは、さすがは保健委員さん」
プシュ、とビー玉を落として、ビンを開ける。
それで口同士を、こつん、とぶつけた。
「乾杯」
ごくごく、と勢いよく飲みすすめるなるちかくんの、喉仏がうごくのを眺めながら、わたしも、ちびり、と口をつける。
しゅわしゅわ、口のなかで泡がはじけて、溶けて。
爽やかで儚くて、喉がきゅっとする。
夏の味だ、なんて思う。



