と、そこでふと気づく。
なるちかくんの息が荒い。
ぜえぜえと肩で呼吸をしているせいで、胸のあたりが激しく上下していた。……そういえば、駆けつけてくれたときも、息を切らしていた。
手のひらや額も、心なしか汗ばんでいるような気がする。
────もしかして、走ってきてくれたの?
「なるちかくんは、どうして、ここに……」
「ああ……うん。ほのかちゃんが飛び出してすぐ、追いかけてきた」
「え」
「ほのかちゃんなら、なにかやらかすと思ったからな。案の定、荷物置いてってるし? 人混みにまぎれて、見失ったときは焦ったけど」
……でも、見つけてくれたよね。
れーちゃんとか、りんくんとちがって、わたしは人の海にのまれてしまえば、あっさり見えなくなる。
すみからすみまでくまなく探してくれたんだろうか────なんて、思ったのだけど、なるちかくんが続けた言葉はまったくの予想外だった。
「ほのかちゃんが、見つけやすくてよかった。びっくりするぐらい、すぐに見つかったんだよな」



