何も知らないなるちかくんは、楽しそうに肩をふるわせている。
ほんとうに、楽しそうに……だから、だめ。
「そんな必死に隠されると余計気になるんだけど」
「っ、見ちゃ、だめ!」
焦りが空回りして、なるちかくんの目を思いっきりふさいでしまう。がばっと、そしたら、その拍子に。
「うおっ、と」
座ったままよろめいたなるちかくん。
なんとか石段からはすべり落ちなかった、けれど、驚いた様子で目を見開いていた。
「ご、ごめん……」
さすがに頭を下げて謝ると、いいよ、ってなるちかくんはあっさり笑った。
そして大きな手のひらがぽん、とわたしの頭にのせてくる。
なだめるみたいに。
「ほのかちゃんがどうしても、って言うから、見ないでおく」



