「どう、って」
「やっぱ、味、いっしょ?」
「……っ、わ、かんないっ」
「はは、わかんないんだ」
味がわからないとか、そういうことじゃなくて、もう、味なんかに意識がいかないというか、集中できない……!
さっきのあんずあめのときの “あーん” より、なんか、今の方がずっと恥ずかしい気がする。
目を瞑っている、背徳感というか……。
だめだ、今何を考えても恥ずかしくなってくる。
なるちかくんばっかりが平気な顔して。
やっぱり、こういうの、慣れてるんだろうなぁ。
この距離感も、こういうことも、きっとはじめてじゃなくて、なるちかくんにとってはもう、日常なのかもしれない。
わたしは。
何でもない顔をして、またかき氷をすくって食べはじめたなるちかくんを見て、“間接キス”────なんて、いちいち動揺するのに。
まったく不公平なものだ。
「ほのかちゃん、はやく食べないと溶ける」
「う、わ、ほんとだ」
夏って日が落ちてもあなどれない。
さっきまではたしかに氷だったそれが、カップのなかでどろどろのジュースになりかけていて。
慌てて残りをかき集めて口のなかに押しこんだ。



