世界で一番幸せそうに、笑え。



午前の授業が全部終わり、いつも通り灯の席に向かう。

灯の席は、教室の一番後ろの隅っこの当たり席。


「ねーね、そういえば、あの話聞いた?」


話し出したのは吉山 夏帆(よしやま かほ)。グループの中では多分一番おしゃべり。

グループというと、私たちは、私、灯、夏帆、三代 結子(みしろ ゆいこ)の4人で行動してる。

女子高生がグループで行動するのは最早当たり前の域だけど、今年の4人は本当に嬉しい。灯は幼馴染だし、夏帆も去年から仲が良くて話とか波長が最高に合う。結子は今年初めて同じクラスになったけど、去年は灯と同じクラスで、なんと言っても超良い子。

昨年は何となく女子特有の微妙な雰囲気の漂うクラスだったから、安心して毎日を過ごせるこのクラスは貴重だ。


「何の話?」


椅子をぐっ、と近づけて聞く体勢に入る。

大抵しょうもない話で毎日昼休みは終わるけど、今日は違うみたい。こういう噂話は、正直楽しい。

自分には関係の無い話が殆どだけど、井戸端会議みたいに話し込んで時間が過ぎていく。

時には誰が誰に告ったとか、誰と誰が別れたとか、そんな話も多いから、そんな話の時は偶に、自分性格悪いなって思うんだけどね。