ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋


そういう彼女に俺は
惹かれずにはいられなかった

愛しい
そう思わずにはいられなかった

そういう俺だから、もう嘘を突き通すことなんてできない


『そうか、じゃぁ・・』

「じゃあ?」


そう強く思った俺は、伶菜をもっと近くに感じたくて
彼女の顔を覆っていたウエディングベールを両手でそっと捲り上げた。

俯いていた彼女が俺をゆっくりと見上げる。
ここは神聖な場所と暗示するかのように、彼女の目元を濡らしていた涙に照明の光が当たり輝きを増す。
その輝きに本当の自分が彼女と向き合っていいと背中を押される。


『もっと近くで、嘘を真実に変えさせてくれる?』

「もっと近く?」

『そう、ほら・・・』


そして、彼女のことを
迷うことなく、真っ直ぐに愛し抜くためには
嘘をきちんと真実に変えることも必要不可欠だと
俺は大きく腕を広げた




だから、

『俺と結婚して欲しい。』

「・・・・・・・・」

正々堂々と彼女を愛し抜くための方法を
そろそろ自分の手で掴もう


今、自分の腕の中にいる彼女を幸せにするよう
真っ直ぐに、どこまでも愛し抜く方法を・・・




『俺と結婚して下さい。』



その言葉をきちんと口にした直後、腕の中にいる彼女がぎゅっと俺の体を強く抱きしめ返してくれた瞬間。

自分の人生の中で初めて
その言葉の重み
そして
幸せの意味

それらを心の中で強く噛み締めた。