『何?お兄ちゃん、何?』
「伶菜・・・」
『コレ、どういうこと?』
「お前もパズルのピース持ってるだろ?今、ここで出してみて。」
緊張した面持ちのお兄ちゃんは私が問い質した内容に答えることなく私の鞄を差し出す。
私は手に持ったままでいたオルゴールの中に入っていたモノをその台の上に置く。
そして、慌てて鞄の中に手を入れて、パズルのピースを入れてあるポーチを取り出し、そこから2つのピースを取り出した。
そして、台の上ではお兄ちゃんの手によって、ちょっと大きめサイズの2つのピースと私が持っている2つのピースと同じサイズの “naofumi” と刻印されている1つのピースが組み合わされる。
取り出した2つのピースをお兄ちゃんに託そうとしたその時、
「伶菜、お前がそれを嵌めて。」
お兄ちゃんはそう言っただけで手を差し出してくれない。
私は無言のまま、お兄ちゃんの言う通りそれらを組み合わせてみる。
すると、
パズルの上段には “T” と “S” と刻印されたピースが
下段には左側から
“naofumi” “your baby” そして “reina”と刻印されたピース達が見事に繋がって
一枚のキレイな空色の面になっていた。
『これって・・・・』
「コレは親父が作ったパズルなんだ。」
お兄ちゃんは緊張が隠せていない声で私にそう囁いた。
5つのピースが一枚になっている
まるで家族のように・・・
“naofumi” と “reina”の間に “your baby”
それがあるってコトは
お父さんはお兄ちゃんと私が
いつか家族を作る
しかも赤ちゃんもという未来を
描いていた・・・の?
私の名前が刻印されていたピース以外のピースを持っていたお兄ちゃん
彼はお父さんが描こうとした未来を
ちゃんと理解していた・・・の?
そうだとしたら、お兄ちゃんはもしかして
私が隠していた事実を知っていた・・・の?



