そんな彼女が問いかけた言葉に佐橋さんが返した答え。
それは、乾いた声で笑うこと
そして
「そうだよ・・・伶菜。」
彼女が否定して欲しかったことに対して肯定すること
そして
「だってさ~。突然、この女の人から電話がかかってきて・・・その人がどうやら伶菜に探偵をつけていて俺まで探し出されたらしくってさ・・・・・・」
「で、1ヶ月以内にキミと結婚できたら、成功報酬として500万円!!!しかも、後にキミのお兄さんとその女の人が無事結婚できたら、それに上乗せ500万円!!!・・・・しかもその後だったらキミと別れてもいいという破格の条件付きでね・・・・」
聞いているこっちが耳を塞ぎたくなるような
金にだらしなさそうな男が紡ぐ・・・罠の全貌だった。
この男はそれだけに留まることなく、
「だから、この女の人の話に乗ったんだ・・・キミにはこの事実を隠し通せると確信してたんだけどな・・・以前、俺がついた嘘にもまんまとひっかかったからね・・・」
「・・・・・・・・・」
「でもついさっきまでは俺のコト信じてくれてたんだ・・・そういうトコ全然変わらないね、伶菜はさ。」
人を信じるということを大切にしている伶菜の人格まで貶すような言葉までもを軽い口調で打ち明ける。
祐希の存在を知ったこの男が父親としての役割を果たそうとしている
伶菜はきっとそう思って、彼を信じようとしたことも彼と一緒になろうと思った一因なんだろう
そこまで真剣に今回の話を考えていた彼女を
自分の私利私欲のために騙そうとしていたこの男
許せない
自分のためにまた伶菜の心をズタズタに傷付けようとしたこの男を
伶菜が声も上げずにひっそりと涙を流す状況に陥るようなことを招いたこの男を
俺は絶対に許さない
沸き立ってしまった怒りを抑える術を知らない俺は
拳を力強く握り、そしてそれをこの男に向けることを
ビシッ!!!!!
抑えることなんかできなかった。



