その事実は話すのにふさわしい時期が来たら自分からお兄ちゃんに話そうと思っていたのに、こんな形で彼に知られてしまうなんて・・・
ごめんね、お兄ちゃん
こんな大事なコト黙っていて
私の口から聞かせてあげられなくて
きっとお兄ちゃんは康大クンのコト許せないと思う
お兄ちゃんは私が康大クンに捨てられたと思い込んで自ら命を絶とうとまでしたコトを知っているから
でも、お兄ちゃんにわかって欲しい
康大クンはこれから祐希と私のために頑張ってくれる
だから、お兄ちゃんの我儘ともとれてしまう言葉に対して
康大クンが下すであろう決断に
私は従うから・・・
グイッ///
えっ?!
『痛っ!』
思わずギュッと目を閉じて声をあげた私。
なんとか目を開けて状況を確認すると、
私の右手首はお兄ちゃんらしき手によってグッと掴まれていた。
えっ?
どういうコト?
なんで今、お兄ちゃんは私の手首を掴んでいるの?
「キミには悪いが・・・俺の気持ちは変わらない。」
お兄ちゃん、なんで?
康大クンが祐希の実の父親であることを知ってしまったんでしょ?
なのになんでそんなに頑なになっているの?
「お兄さんはその事実を知ってもこのまま、祐希クンに父親を、そして彼女に夫を作ってあげないつもりですか?」
康大クンの言う通りだよ
今までのお兄ちゃんなら
事実を知ってしまったことによって怒りを感じながらもこの手を離すはずだよ?
祐希に血が繋がっている実の父親を作ってあげたいと思うなら
お兄ちゃんだって
実の父親だと思っている私のお父さんの背中を今もなお追いかけているぐらい、血の繋がりを大切にしているだろうから
そうだよね?お兄ちゃん・・・・
「・・・本当に悪いが祐希とキミの間に血の繋がりがあろうが、やっぱり俺の気持ちは変わらない。」
『・・・・・・・?!』
「・・・・・・・・」
「先を急ぐから、失礼する。行くぞ、伶菜。」
お兄ちゃんは毅然とした態度でカレにそう言い残し、掴んでいる私の手を強く引いた。



