ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋




あっという間に康大クンへの質問を終えてここから消えていったお兄ちゃん
カレに聴きたいことが ”夜空を眺めるのがスキか?” って
それだけ?
普通はもっと他にもあるんじゃないのかな?

それだけの質問だけで、こんなにもあっさりと康大クンとの結婚を認めちゃうなんて
どちらかといえば慎重派のお兄ちゃんらしくないような・・・


それに約1年近く、お兄ちゃんと一緒にいるけど
背格好には似合わないほど甘いモノ好きで
心配性で
口が上手いとは言えなくて
白衣を着ているとクールそうに見えるけど
プライベートではお茶目なところも、(とろ)けるぐらいの優しいところもあって

それとなくお兄ちゃんのキャラクターを掴んでいるつもりだったけど、ちょっと意外な反応なような気がする


『どうしちゃったんだろう?』


お兄ちゃんの姿が見えなくなって、康大クンと二人きりになってようやくお兄ちゃんの不可解な言動をゆっくりと想い返す私。


「伶菜、よかったな。お兄さん、俺らの結婚を認めてくれたみたいで。」

頭の中がお兄ちゃんのコトでいっぱいだった私を現実に引き戻してくれたのはお兄ちゃんではなく、康大クンだった。


『あっ、うん。・・そうだ、ね。』


俺らの結婚という言葉がなんだか上手く飲み込めない感じがする
私の応答はあまりにもぎこちない。


「じゃあ、こうやって時間も頂いたことだし、これからのコトを一緒に計画して行こうか?結納とか結婚式とか何処に住むとか引越しとか。」


そんなこと急に言われても今ひとつピンと来ない
だって私、この期に及んでもまだお兄ちゃんのコトがこんなにも気になってたりするし

それに
この人と結婚式を挙げて私
ちゃんと幸せそうな顔できるのかな?

私との結婚のことをこんなにも考えてくれてるのに
ちゃんとそんな顔でいられるのかな?

でも、そんなコト間違っても本人には言えない


『・・・急なんだね。でも私、働いてないから結婚式とかを挙げる費用までないんだけど・・・』

私は現実的な言い訳をでっちあげて、結婚式という幸せの象徴であるイベントをなんとか逃れようとした。