「あそこに立っている人、なんか良くない?」
「えっーー私はあそこに座ってる人のほうが好み~。」
「でも女連れだよ・・・もしかして三角関係ってヤツ?いいなあ、あのお姉さん。どっちもいい男だよ!!!!」
遠くのほうから聞こえて来た若い女の子達の声。
こういう他人の視線って以前、名古屋駅でお兄ちゃんと入江さんと待ち合わせした時にも痛いほど感じたっけ?
羨ましがられたって、結婚の話をしたいのに、なんか落ち着かない
そんな噂話が聞こえてくるくらい、私達3人の中だけ空気が止まってしまっている。
でも、その空気を打ち破ったのは、意外にも
「佐橋さん・・・今、何て・・・なんておっしゃいました?」
またもやお兄ちゃんだった。
ガタッ!!!!!
いきなり椅子から立ち上がる康大クン。
うわー・・・・どうなるの????
身長180cm位あるお兄ちゃんとそれより若干低いけれどそれでも背が高い部類に入る康大クン。
そんな2人が顔を向かい合わせながら立っている。
一方は眉間に皺を寄せたままで、もう一方はというと真っ直ぐな瞳を投げかけて。
「お忙しい中、お呼び立て致しまして申し訳ありません。」
とうとう深々と頭を下げた康大クン。
「・・・・・・・・」
その姿を凝視しながら微動だにしないお兄ちゃん。
ココは私が状況説明をしたほうがいいかな?
さすがの康大クンも、このお兄ちゃんの反応にきっと困っているよね?
『あっ、お兄ちゃん・・・こちらがお付き合いをしている佐橋康大・・さん。』
正確に言うと
“以前、お付き合いをしていた・・” なんだけどね
でも余計なことは言えない
これから結婚するんだから・・・
「・・・佐橋です。」
康大クンは自分からも名前を名乗り、お兄ちゃんの顔をじっと見つめながらもう一度深々と頭を下げた。



