なんで・・・?
日詠先生が私の両親の間に産まれたんじゃなくて
東京の日詠先生夫婦の間に産まれたなんて
じゃあ、なんで
日詠先生は私のウチで、私の兄として育てられていたの?
なんで?
そんな私の中ではあり得ない事柄を
彼自身は知っているの?
そんな信じられない事実を
なんで?
そんな信じられない事実を
東京の日詠先生はなんで私に伝えようとしたの?
『・・・・・・・・・』
衝撃の事実を耳にしてしまった私は頭の中がゴチャゴチャで、先生に何から聴いたらいいのかわからずに言葉を失ったまま。
「びっくりさせてしまったようだね。ちゃんと最初から話すよ・・・尚史に、キミに、そして、僕達に何があったのかを。」
何が
何が
『何があったんですか?』
やっとのことで口にできた言葉は
もしかしたら、東京の日詠先生を問い詰めてしまっているかもしれない
でも、何があったかちゃんと聴かないまま、日詠先生に顔を合わせてしまったら
きっと私、妹じゃなかったから・・・もう日詠先生に迷惑かけられないって
早く大切な人を見つけて、幸せになって欲しいって
自分から彼の手を離してしまうだろう
でも、今の私は
日詠先生と祐希、3人で過ごす今が
本当に幸せで
それを手離すことは幸せを手離すことに等しいなんて思ってる
だから東京の日詠先生の言葉をもう一度だけ信じてみたい
尚史にもそして私にも幸せになって欲しいというから伝えたいんだという
先生のその言葉を信じるために
もう少しだけ頑張って彼の言葉の続きを聞いてみよう



