そして翌朝、シャワーを浴びても眠そうな日詠先生と朝でも爽やかさ満載な入江さんと一緒に朝食をとった。
「それじゃ、俺、もう出勤する時間だから。入江さんもそろそろ出発できます?」
「大丈夫。じゃあ、お願いする。伶菜さん、いろいろありがとう。」
『いえ。楽しかったです。またいつでも遊びに来て下さいね。』
入江さんはコーヒーを口にしてから優しい瞳でこっちを向き小さく頷いてくれた。
「さ、そろそろ行きますか。」
「ああ。」
楽しかった
自分がこのままでいいことも知ることができた
そんな大切な夜だった昨晩
日詠先生と入江さんがここからいなくなった今
いつもの朝に様変わりしてしまい一気に寂しくなっちゃったけど
またきっと昨日のような時を過ごせるから、またのお楽しみということで
日詠先生は勤務が終われば帰って来てくれるし・・・・
私は自分にそう言い聞かせながら朝食の後片付けをし始めた。
でも
”ごめん。今日、帰れそうにない。また連絡する naofumi”
メールの送り主が帰ってくるはずの時刻に私の携帯電話に届いたメール。
それは今から思えば、楽しい時間はそんなに長くは続かないというコトを暗示していたのかもしれない。



