ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋




何か変なコト、また言っちゃったのかな、私
入江さんのこと、いくら話しやすいって思っているからって
日詠先生の大切な人のことを聴いたり、
自分はそのままでいいと言ってくれている入江さんに困った顔をさせてしまうような問いかけをしたり・・・・

ダメだな、私
しかも折角答えてもらったのにどう解釈したらいいのかわからない




「日詠が大切と想っている人にキミが直接、顔を合わせることはないから大丈夫だよ・・・それにこれから何があってもアイツの想いはそう簡単には揺るがないから・・・あっ、ちょっとヒント出しすぎちゃったかな・・・」


ヒント出しすぎたって、そうなの?

私が日詠先生の大切と想っている人に直接顔を合わせることはないって
アイツの想いはそう簡単には揺るがないって
・・・どういう意味?


日詠先生の大切な人は、どうなっちゃうの?
というか、日詠先生の大切な人って一体誰なのかをやっぱり聴きたくなっちゃったじゃない!!!!

このままモヤモヤ考え込んでるのもなんだし、日詠先生も爆睡しちゃってることだし、もうここまできたら、入江さんに思い切って聴いちゃえ!!



『入江さん、あの・・・』

「さってと、アイツ、明日勤務だって言ってたからそろそろ起こしてやるかな・・・・」

入江さんは今から私が聴こうとしていたことを察したのか、彼は私の方に背を向け、ベランダから日詠先生達が寝転がっているリビングの方へ足を向けた。


あっ、私
自分が聴きたかったこと、聴けずにいる

聴かなきゃ
今、ちゃんと聴かなきゃ
日詠先生の大切な人は誰なのか・・・を



『いり』

「手を離さないでいて欲しい。」

『えっ?』