「で、日詠は声高らかに夜空の解説をしてるんだけど、僕は酔っ払ってるから8割方、覚えてなくてね・・・”入江さん、全然聞いてないでしょ?”ってよく怒られてたのは覚えてるんだよな・・・・」
入江さんにツッコミを入れる日詠先生か~
普段の彼の様子からは全然想像つかないけれど、お酒を飲むと芸人さんみたいなノリになるのかな?
フフッ、見てみたいな、そんな日詠先生と入江さんのやり取りを
「今、笑ったろ?」
『ゴメンナサイ・・・・日詠先生と入江さんっていつも漫才みたいなことやってそうだななんて勝手に想像してました!』
「いや、僕とアイツのやり取りよりもアイツと犬のやり取りのほうがなんだか面白いんだよ。」
『犬・・・ですか?』
犬、大好きなのかな?それとも、怖いのかな?
「そう、犬。バイト中の話なんだけど、お客さんが連れてきちゃったシベリアンハスキーを食事中に厨房の外で預かることになったんだけど、アイツは自ら張り切って餌を与えに行ったんだ。」
そう言いながら入江さんはイタズラっぽくニヤリと笑った。
「で、そのハスキーがあまりにも愛しく見えてしまった日詠は餌をそっちのけでハスキーにハグを求めに行ったらしいんだけど・・・ハスキーは当然餌にまっしぐらで、、すれ違い様におしっこをひっかけられちゃったんだよな・・・・それでも懲りずにハグしに行ったりして、最後は一発吠えられてた・・・・」
うっ、カッコイイとは言えない気がする
普段の日詠先生からは全く想像つかないや・・・・
『か・・・かわいい。』
「でしょ?人は見かけによらずだよね・・・」
入江さんと私は顔を向かい合わせ、話のネタにされている人物がいないのをいいことにクククッと笑い合った。



