そういえば、入江さんにそこまでは話してはいなかったな
ずっと捜していた伶菜が見つかったとは伝えたけれど、彼女に妹だと伝えていることを
丁度店に着いたことだし、このままその話が流れてくれるといいんだけど・・・
「そーゆーコトね・・・まあ、いいや。日詠、後からたっぷり聞かせて貰おうかな・・・さ、伶菜さんも中、入って!! ココ、ダージリンティーシフォンケーキが美味いだよな。」
やっぱりダメだったか
何聞かれるんだか・・
それも気になるけれど、
伶菜の入江さんを見る目も気になる
彼女がTVで人気俳優のインタビューを観ている時と同じ目をしているのは俺の気のせいだろうか?
『伶菜さ、入江さんに騙されるなよ・・・大学の先輩だからってさ。』
伶菜が彼のことに惚れたりしないように
釘が刺しておかないとな
万が一、伶菜が彼のことを惚れてしまっても、多分、報われることはない
入江さんは終わりの見えない恋愛をしているのだから・・・
だから、言い方は悪いけれど、”騙されるな” って釘を刺しておく
でも、俺が言ったその忠告で、伶菜が食いついたのは、惚れるなということではなく、大学の先輩という内容らしい
それをきっかけに話がさらに弾むふたり。
注文を聴きにきている店員の存在にも気がついていないぐらいで、俺が話に割って入り、メニュー表を差し出す。
けれども、彼女らはそれを見ることもなく、ダージリンシフォンケーキを同時に注文。
その絶妙なタイミングに、このふたりは波長が合うんだなと感じる。
俺も伶菜とここまで波長が合えば、
色々考え込むことなく、一緒にいられるだろうに
以前も、ぺがつく料理が食べたいという彼女からのリクエストに
ペスカトーレの材料を買い込み、ペペロンチーノかと思ったと言われる始末で
密かにガッカリした俺
そもそも波長が合うとかって普通によくあるのか?
何をどうやったら上手く波長が合うようになるんだ?
「日詠・・・嫉妬か?」



