「・・・私、いつまでココに居てもいいの?私がこのままココに居たら、お、、奥野先生は?三宅さんは・・・どうしたらいいの・・・・・?」


いつまでココに居ていい?
・・・・そんなコトを考えていたのか?

奥野さんや三宅はどうしたらいい?
・・・・彼女らは関係ない


俺が傍に居て欲しい相手は伶菜であって
彼女らではない

伶菜と面識がないはずの三宅の名が
伶菜の口から飛び出してくるなんて

まさか、三宅は伶菜に
俺と同居していることについて嗅ぎ付けて何か言ったのか?



もしそうなら
忙しいはずの奥野さんが俺に早退を勧めたことがようやく腑に落ちる
早く帰って伶菜の心の動きを感じ取れということだったのかもしれない


『やっぱり、三宅か・・・』

自分が思っていたよりも三宅というオンナは計算高そうだと思い知らされ、怒りが込み上げる。


『三宅がなんだかんだ言いながらお前を脅しにかかってきたんだろ?・・・それで奥野さんがお前を助けてくれたって訳だ。』

「・・・・・・・・・・」

昼間の伶菜や奥野さんの不可解な行動について自分なりに仮定し、それを伶菜に投げかける。

絶句している彼女。


そこから俺は、自分が仮定した内容が間違いではなさそうだと確信した俺は、

『彼女の、三宅の言うコトには絶対怯むなよ・・・・・』

お弁当を届けてくれたり、祐希の検診でウチの病院に来る機会が多い伶菜にそう忠告した。


そうやって彼女に忠告しておけば、とりあえずはそれでいいと思った矢先。
彼女が自分が俺と一緒にいると産科の問題が解決しないのでは?と逆に俺に投げかけてきた。

三宅は俺と結婚したいという気持ちを伶菜に伝えただけだと踏んでいた
それなのに、産科の人手不足のことにまで話が及んでいた
産科の人手不足の件は、伶菜は一切関係なんかないのに



『ウチの病院の産科は俺がちゃんと自分自身の手で守るから。だから、三宅が何を言ってきてもお前は動じるな!』



そのことに更に怒りが込み上げて、俺は彼女へさっきよりも強く忠告した。


これだけ言えば
伶菜も理解してくれるはず
後は俺が三宅の動きに気をつけていればいいだろう


俺は頭の中でそう整理をしていた時、

「でも、奥野先生は・・・日詠先生のコト、好きなのでは・・・だから・・・だから、私がいつまでもココに居てはダメなんじゃ・・・」

伶菜は再びとんでもないことを言い出した。