ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋





それからどれくらい時間が経ったのだろうか?
頬をすうっと撫でられる感触を感じるが、熟睡中だった俺は目が開けられない。


「日詠先生、起きて下さい。」

『・・・伶菜?』


その感触が首筋にも降りてくる。
怪しいその感触に目を開けなくてはと俺は更にもがく。


「朝ごはんにします?それとも、あ・た・し?」

『えっ?!・・ちょっと待て、伶菜、それは・・・』


怪しい囁き声。
さすがに思いっきり目を大きく開けた。
伶菜とこういうことになったことなんかないのに、自分の動揺ぶりに驚いて目が覚めた。



「なにが伶菜だ。この色ボケ野郎!!!! 病棟回診の時間だっての!」

『・・ふ、福本さん?!』

「あら、日詠先生、昨晩はご苦労様だったようで。山村主任からお話は伺いましたわ。大変だったみたいですね~。」



福本さんのふざけ感満載の言動に抗議しようとした瞬間、真面目な空気に持ち込まれた。

多分、ご立腹
久保に対する俺の配慮の足りなさに対してだ


『すみません、俺。久保を上手くフォローしてやれなくて。』

「最近の若者は打たれ弱くなっているから、指導する側も工夫が必要よね?ナオフミくんも勉強よ。」

『そうですね。』

「そうとわかったら、ほら回診!!!!ほら、しゃきっとして元気だして行け~。じゃないと伶菜ちゃんに嫌われるぞ。そんな日詠先生、嫌いって。」


伶菜という最強のジョーカーを握っている福本さんに、お手本になる後輩の背中を押し方を実践され、俺は病棟へ向かった。