ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋




『私の夫になるって・・お母様と血が繋がっている娘さんであるあなたが後継者になってもいいのでは?』

「残念ながら、私は内科医なの・・・だから母親の病院ではなく内科のあるこの病院に勤務しているのよ。」

『内科・・・。』

「そう。だから、産科医師である日詠クンの手が必要なの。病院の経営を安定させるには優秀な腕を持つ彼の手がね・・・・そしてこの病院も日詠クンという優秀な医師と引き換えにはなるけれど大学からの派遣医師を引き続き得られることになるのよ。」


引き換えにってそれってまるで、
私だけではなく日詠先生までもモノ扱いしているような表現じゃ・・・


「だから、日詠クンは私と結婚するという形を取らざるを得ないのよ。」

結婚という形を取らざるを得ない?!


「私の母親の病院で彼の手を待ちわびている患者さん達の為にも、そしてこの病院の産科医療システムを崩壊させない為にも、彼はそうするしかないのよ。」


彼はそうするしかないって
日詠先生もそう思っているの?



「だから、いつまでもアナタに彼の傍に居て欲しくないのよ。」


日詠先生はこの人の母親の病院の利益の為に
この病院の産科医療システムの崩壊を目の前にチラつかされて
結婚まで迫られているの・・・?

日詠先生がこの女性のコトを本当に愛しているのなら
私は、彼の傍にいるのを諦めなければならない

でも、こんな交換条件を簡単に並べてしまうこの女性が
本当に日詠先生のコトを愛しているの?
日詠先生がこの女性のコトを本当に愛しているの?

一体、どうなの・・・・?


『・・・・ひとつだけ、聴かせて貰えませんか?』

「・・何かしらねぇ?」


私に対して言いたかったことをすべて話すことができたという満足感からか、彼女は涼し気な表情でそう答えた。


『あなたは日詠先生を・・・私の兄の事を心から愛しているんですか?』



もし、この人が日詠先生のコトを心から愛してるって言ったら
そしてもし、日詠先生もこの人のコトを心から愛してるって言ったら

私はこの人が言った通り自分は日詠先生の ”お荷物” なんだというコトを
認めざるを得ないんだ





うふふふっ