っていうか、病院イチのモテ男の爆弾発言って
こんなに大きな病院で
お医者さんも事務員さんも看護師さんも
レントゲンを撮ってくれる人も
採血をしてくれる人も
たくさんの男の人がいるのに
やっぱり日詠先生は一番モテるんだ
独身で独り暮らしをしていたその人に、一緒に住んでいる人がいるって
凄く内緒にしたほうがいいんじゃ・・
「・・・伶菜ですよ。」
日詠先生は福本さんから視線を外しながら静かに私の名前を呟いた。
お喋りがダイスキそうな福本さんに、それ、言ってもいいの?
やっぱりマズイんじゃ・・・
「フフッ、ようやく宣言したわね。ナオフミく~ん♪ それでこそ男ってもんよ。」
「・・・・・・・」
含み笑いを浮かべている福本さんに、ナオフミくんと呼ばれた日詠先生は、彼女のちょっぴり意地悪な発言にぐうの音も出ない様子。
「大丈夫よ~ナース達には黙っててあげるわよ。伶菜ちゃん、よかったね♪」
『・・・・・・・』
よかったねと言われても、素直に喜んでいいのかな?
福本さんは黙っていてくれるって言ってくれたけど
もし、同居が公にバレて、日詠先生が嫌な想いをしたら、ちょっとイヤだな
「でも、もし、ナオフミくんに意地悪されるようなことがあったら、このアタシに言いなさいね~。アタシがキッチリ、彼をシメてあげるから!!」
「・・ったく、人聞き悪いですよ、福本さん。」
病院では涼しい顔しか見たことがなかった日詠先生なのに、彼が奥歯でモノを噛んでいるような不機嫌な顔を見せるところまで追い込むなんて
福本さん、強い・・・・
「会議遅れるわよ、ナオフミく~ん・・・あっ、日詠センセでしたね~。じゃ、伶菜ちゃん、またね!」
『あっ、はい、また。』
「あっ、そうだ。ちょっと今、急いでるから、、オーストラリアのお土産、ナオフミくんに預けておくから、彼から受け取ってね♪さ、行くわよ!ナオ、いや、日詠センセ!!」
急げと言わんばかりに日詠先生の白衣の襟をぎゅっと掴んで引っ張る福本さん。
急げって急かされていたのは福本さんのほうなのに
福本さん、やっぱり強い
なんか姉弟みたい・・・・
自由奔放な姉がおとなしい弟にちょっかいを出すみたいなそんな姉弟



