ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋



『私は・・妊娠13週らしくて・・・お腹が張っているからって 入院になりました。』

村上さんに余計な心配をかけないようにと入院理由を多少省略して伝えた。


「そっか~。お互い、妊婦同士、頑張って行こうね♪母は強しだよぉ♪」

彼女の話を聞いている限りでは、彼女もシビアな病状であるようで。
それでも彼女はそれに負けないようなスッキリとした笑顔で私に笑いかけてくれた。


母は強しってよく耳にするけれど
確かに村上さんからは(たくま)しさが感じられる
彼女は既に一児のお母さんだからかな?


それ以降、昼間は部屋の仕切りカーテンを開け、村上さんとちょこちょこ話をするようになった。
好きなアーティストの話、病院食の味付けの話、学生時代のバイトでの失敗談など色々。

こうして話をしていく内に私にとって村上さんは
良き妊婦仲間であり
良き先輩母親
という存在になっていた。

この日も私は村上さんが絶対安静状態である私のために淹れてくれた”妊婦が飲んでもよいとされるハーブティー”を飲みながら彼女と話をしていた。


「日詠先生ってまだ若いのに、凄いらしいよ!!!!!」

そう話を切り出したのは村上さん。