「そういえば、他にも見せたいものがあるから、先に廊下に居てくれる?・・・祐希をここで寝かせてから俺も行くから。」

それが彼にも伝わったようで、彼はほっとした表情を浮かべながら、寝室のドアを開けてくれた。

先に寝室を出たのはいいけれど、自分がどうしたらいいのかわからない私は廊下から彼らの様子を窺う。
日詠先生は眠っている祐希をそっとベビーベッドに寝かせ、そっと祐希の頭を撫でる。

祐希から目を離さないまま窓際へ移動した日詠先生は音を立てないようにカーテンを閉めて部屋を真っ暗にして、ようやく寝室から出てきた。


「待たせたな。」

『いえ・・・大丈夫です。』


待っていたこの時間が私の冷静さを取り戻させてくれたみたいで、彼と再び目が合った時には、微笑みかけてくれた彼から目を逸らさずに、ニッコリを笑みを浮かべることができた。

そして私は両手で大切そうに箱を持っている日詠先生と一緒にリビングに向かう。
リビングに入ると、日詠先生はそれをローテーブルらしき所に置き、早速、中身を取り出した。


「コンセント、どこだっけ?」

電源プラグを持ったまま、日詠先生はコンセントのある場所を探す。


「あった。」


その声が聞こえた瞬間、ローテーブルの上に置いたまま蓋が開いている箱の中から淡い光が放たれ始める。
その光を追いかけると天井には、かわいい動物のキャラクター達が映し出され、それがゆっくりと回り始める。
それと同時になんとも心地いいオルゴール音が流れてきた。



『プラネタリウムみたい・・・凄くかわいいし、キレイ・・・』

私はソファーに腰掛け、映し出されているキャラクター達の動きに見とれながらそう呟く。


「祐希も、気に入ってくれるかな・・・?」

私の隣に座った日詠先生も静かにそう呟いた。


天井に映し出されているキャラクター達の影響なのかな?
ソファーで隣り合って座っているのに、変なドキドキ感がない


『・・ハイ、きっと!なんせ祐希のおじいちゃんはプラネタリウムの研究員でしたから、祐希もこういうのきっとスキですよ。』

「・・・・・・・・・・」

ようやく落ち着いてきた私は返事をそれ相応にできるようになってきた。
けれども、日詠先生は黙ったまま。